ADHDの症状自体は残りますが、むしろ大人になるにつれて軽減することが多いです。ADHDのおもな症状(特性)…衝動性などには、薬物療法があり、そのことによって解決することができます。 

ですので、ADHDの症状の悪化というよりも、「二次障害」と呼ばれるADHDの人に対する「間違った対応」の結果起こってしまう病気のほうが問題になってきます。
 
二次障害には、うつ病、不安障害、反抗挑戦性障害・素行障害、チック障害、パーソナリティ障害などがあります。いずれも深刻な病気になります。 



11歳から16歳までのADHDのこどもの、実に62%が一つ以上の精神障害を起こしているというデータもあります。  

そのほかにも、小さいころから厳しく怒られ続けた結果、被害妄想的な考え方が身についてしまい、そのことから上手に対人関係が築けない、就労できないなどの重大な問題を引き起こすことあります。 
 
ADHDの人が、二次障害を起こさないために、私たちは子供時代から気をつける必要があります。「間違った対応」は絶対にしないでください。
 
それでは、ADHDの人に対する「間違った対応」とはどんなものでしょうか。まず、「頭ごなしに厳しく叱責すること」があげられます。

ADHDの人の問題行動はすべて脳の特性が原因であり、本人がコントロールすることはどうやっても不可能です。「わけがわからないけど、どうしてもやってしまう」のです。性格や努力の問題ではないのです。
 
筆者もその傾向があり、特に小学生の頃からとても悩んでいました。いまは自分自身の特性も受け入れることができ、うまく付き合うことができていますが、当時は毎日泣いて暮らしていたことをよく覚えています。

このころは本当に「悪夢」みたいでした。 

次に、「一般常識を押し付ける」があげられます。発達障害の人は普通のやり方ではできず、当事者本人があみだした方法で物事に取り組むことがあります。
 
そのことを否定しないでください。「もっと効率がいい方法があるのに……」と思っても見守ってあげてください。

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筆者の苦い経験として、やたらと一つの方法にこだわり、押し付けてくる先生がいて、その方法がどうしても私自身にあわず、勉強自体を放棄してしまった、ということがあります。 (大変後悔しています……。 )

その上、特に叱責され続けたADHDの人の心は、非常に過敏になっています。コミュニケーションは時間をかけて、根気強く、やさしく行いましょう。

「ちょっとしたひとこと」で想像もつかないくらい傷つくこともあります。当事者としては、どっしりと構えてくれて、多少つじつまが合わなくなっても話を聞いてくれる人だと安心できます。 

会社にそういう人がひとりいるだけでも、ADHDの人は安心して働くことができます。そして思いもよらないようなパフォーマンスを発揮することもあるでしょう。 

それ以外に気をつけることは、ADHDの人は環境の変化に弱く、ストレスにも非常に弱いです。筆者も職場に通勤できないほどに、環境の変化にとても弱いです。1日2日なら通うことができますが、それ以上になると必ずパニックを起こしてしまい、やめざるを得ないことがありました。 

最後に、ADHDの二次障害が治ったとしても再発防止が重要になってきます。繰り返しになりますが、ADHDを含め、発達障害の人はストレスに弱いです。

対人ストレスもですが、特に環境面(騒音など)に注意してください。ADHDの人が集中できなくなっているとしたら、そのことが原因かもしれません。気をつけてあげてください。 

ストレスの軽減が再発防止につながります。 

今の時代、ストレスは増えていくばかりです。けれども、ちょっとした思いやりで劇的に改善することができます。いままで述べてきたことは、発達障害の人に対することだけではありません。 健常者の人にもすごしやすい職場作りにとても役に立ちます。 

ぜひとも実践してみてください。